初めてのうつ病。-たくさんの勇気-

2度めの診察で薬を増やしてもらった私は、

また仕事ができるようになる、そう信じきっていました。

一人暮らしだったので、休んでばかりもいられません。

多少気が重くても、行けばなんとかなる、そう信じて出勤しました。

 

けれどまずつまずいたのは、地下鉄でした。

それまでは気にならなかった朝の通勤ラッシュで、

急に気分が悪くなり、途中下車。

少し休んでからもう一度乗ると、

今度はなんとか目的の駅まではたどり着きました。

 

駅のトイレでもう一度休み、それから会社へ。

自分の席に座り仕事の準備をしていると、

なぜか手が震えていることに気がつきました。

頓服薬を飲み、仕事を始めたものの

次に襲ってきたのはひどいめまいでした。

 

なんとかなると自分をごまかそうとしても、

それを許してくれないほどの激しいめまいです。

仕方なく上司に相談し、会社の医務室で休ませてもらうことになりました。

昼まで休みましたが体調は回復せず、結局この日は早退しました。

 

このパターンが3日続きました。

そしてようやく私は、自分がまともに働ける状態じゃないと、

はっきり自覚したのです。

自分でそれを認めるのは、ひどく勇気がいることでした。

 

働けないとわかれば、休むしかありません。

それを上司に相談することも、すごく勇気が必要でした。

親しい友人以外に自分がうつ病だと告白するのも初めてです。

上司は少し驚いていましたが、

月末までの約半月を休んでいいと言ってくれました。

 

これで一安心、とはいかないのがうつ病の難しいところです。

休みを実家で過ごそうと考えた私は、

両親に病気のことを話すために、かなりの勇気を振り絞りました。

結果的には受け入れてはくれたのですが、

最初のうちは互いの距離感がつかめず苦労したものです。

 

そして7月も終わりに近づいた頃、

私はまた1つ、決断を迫られます。

職場へ戻るのか。このまま休むのか。

自分の体調が回復とは程遠いと気がついてはいました。

休む勇気。

そしておそらくは、その先には辞める勇気が必要だと、わかっていました。

 

8月と9月を休ませてもらう、と勇気を出した結果。

会社の答えは、9月末での契約期間満了をもってその後は契約はしない、

という、契約社員の私には絶望的な、けれど予想通りなものでした。

 

仕事がなくなれば、生活はできません。

8年暮らした都会を離れ、実家のある田舎へ引っ越す以外には、

もはや選択肢はなかったのでした。

たくさんの友人と離れるのはつらく、

それでも関係が切れないと信じる勇気をもって、

私は1人暮らしの部屋を引き払いました。

 

うつ病によって職を失い、住むところも失って

抜け殻のようになった私は、実家でぼんやりと暮らし始めました。

発症からここまでの3ヶ月間が、今思えばとてもつらかった気がします。

台風の中に1人で傘もささずに立っているような、

そんな精神状態でした。

 

けれど明けない夜はないのです。

私がそれに気づけるようになるのは、まだずっとずっと先のことですが。

2 Responses to “初めてのうつ病。-たくさんの勇気-”

  1. 今日ここ より:

    お一人暮らしなのに、仕事を辞めなくてはいけなくなった辛さが、ひしひしと伝わってきます。

    私は専業主婦だったのですが、うつ病で、離婚せざるを得ず、今から考えると当時は嵐のような呆然とした日々でした。

    でもこの病気は、休むことから回復の道がはじまりますものね。

    しっかり休んで、ぼつぼついきましょうね。

  2. うつ病になると、たくさんのものを失いますよね。
    最初のうちはとても辛かったです。
    でも、失うだけじゃないんだと今は思います。

    休むのも勇気のいることですが、
    しっかり休んで、いつか元気になりましょうね(^^)
    うつ病は休むのが仕事ですから!

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