「ツレがうつになりまして。」

うつ病のときには読書がなかなかできません。

集中力もないし、本を読もうという意欲もわかないので。

それでも、これはマンガということで読んだ方も多いのではないしょうか。

夫がうつ病になった細川貂々さんというマンガ家さんが書いた、

「ツレがうつになりまして。」です。

 

私が初めてこの本を手にとったのは、

1回めのうつ病で、まだ社会復帰もする前でした。

うつ病から社会復帰なんてできるのか、という不安と、

寛解までどれくらいかかるのか、という疑問を抱きながら、

うつ病でも読める本はないかと探して見つけたものでした。

 

著者の夫であるツレさんの発症から始まり、

回復期に至るまでの様子が赤裸々に描かれています。

 

うつ病の症状は人それぞれですから、

誰もがこの本で共感できるとは限らないでしょう。

でも、家族や身近な人がうつ病になった、という人には

ぜひ読んでもらいたい1冊です。

 

著者の夫への扱いはひどすぎる、と思う場面もありますが

うつ病の家族へ接する難しさからくる部分が大きいのだと思います。

うつ病患者としては、「家族もこんなにつらい思いをしてるんだ・・・」と

考えさせられました。

 

ツレさんはやがて確定申告ができるまでになり、

自信がつくことで変わっていきました。

それを見ていた著者は、

「うつ病でツレが生まれ変わった」と表現しています。

これは後になって思ったのですが、

うつ病患者のほとんどに当てはまることではないでしょうか。

 

がんばらない。焦らない。自分にできることだけやる。

うつ病になる前は、がんばりすぎていませんでしたか?

自分にできないことも、なんとかやりとげようとしていませんでしたか?

その無理は続かないということを、うつ病が教えてくれました。

 

そして回復していったツレさんのその後は

「その後のツレがうつになりまして。」で描かれています。

さらに、「7年目のツレがうつになりまして。」へと続くのです。

 

3冊すべてを読んで感じるのは、正直に言ってしまえば、

うらやましい、という一言です。

うつ病が原因で家族が崩壊するケースもあるし、

仕事をやめたからって完治するとは限らない。

ツレさんはたまたまラッキーだったんじゃないか、

と考えるうつ病患者さんもいると思います。

私も少しはそう思います。

 

ただ、それはツレさんの場合であって、

人それぞれ、恵まれていたこと、いなかったこと、いろいろありますよね。

一概に比較はできません。

私は独身で身軽だったことが幸いした部分もあるし、

逆に孤独だった部分もあります。

 

自分と比べる、当てはめる、という読み方ではなく、

1人のうつ病仲間がこんな風に乗り越えていったよ、

という軽い気持ちで読むにはとてもいい本だと思います。

特に、うつ病の家族を抱えている方にはオススメです。

 

ちなみに私は「これを読んで勉強しなさい」と言って

母に無理やり読ませました(笑)。

うつ病のつらさが少しは理解できた、と言ってます。

 

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